「校区における人権を守るための取組」

子どもたちの感想文  <その1>

①抱樸館の方のお話を聞いて
  私は、抱樸館の青木さんのお話を聞きました。一番印象に残っているのは、建てる時の住民の声です。こわいからやだとか、自分達とはちょっとちがうからとか、そういうのは差別だと思いました。でも、多の津の人はとってもいい人だなぁと思います。二十件もまわってやっと多の津について大歓げいですと言われた時のことを聞いてるこっちもうれしい気持ちになりました。私は、そんな多々良校区に住めて良かったなぁと思いました。

  イストリゲームの時、一番最初はすわれなかったけど二番目、三番目はすわれました。でも青木さんが、イスをゆずりあったらみんなですわれるということを教えてくれたので、みんなでぎゅうぎゅうづめだったけど、その分あたたかかったです。青木さんが言った通りみんなでゆずりあった方が差別もなくなっていい社会になるんじゃないかなと思いました。

②抱樸館長の青木さんの話を聞いて
  わたしは抱樸館という、さまざまな理由でホームレスになってしまった人たちが、自分の力で生きていけるまで(半年間以内)住むことができる場所のお話を、そこの館長さんに聞きました。

  抱樸館の名前の由来は、抱は包み込むという意味で、樸は、ホームレスの人を森の中にある不恰好な木に例えて、「どんな人でも包み込みますよ。どんな人でも来てください。」という意味を込めてこの名前にしたそうです。もう一つ、どうして多の津に抱樸館ができたかというと、本当は博多区に建てる予定だったそうです。でも、建てる予定の場所の近くに住んでいる人が「ホームレスの人たちが集団で来るのはこわい」と思い、抱樸館を建てることを拒否したそうです。なので、青木さんは、抱樸館を受け入れてくれる場所を二十から三十ヵ所ほど探したそうです。そしてやっと受け入れてくれるこの多の津の町を見つけたそうです。建てても良いか聞くと、「ぜひこの多々良校区の多の津に抱樸館を建ててください」と言われたそうです。その時は涙が出るほど嬉しかったそうです。 

  抱樸館には、八十一部屋あって、今日も八十一人の人が住んでいるそうです。それでも抱樸館に住むことを希望している人は十人くらいいて、部屋があくのを家がないので、外でまっているそうです。わたしはその話を聞いてもう一つくらい抱樸館をつくれば良いのになあと思いました。

  次に抱樸館のお金は、どうしているのかを聞きました。抱樸館に住んでいる人たちは、生活保護をうけているので、そこからご飯のお金などを払っているそうです。

  少し話が終わった後にイスとりゲームをやりました。最初はどうしてイスとりゲームをやるのか分かりませんでした。3回曲を流して1回目と2回目はちゃんと座れました。その時に青木さんが座れなかった人にどうして座れなかったかを聞きました。座れなかった人たちは、「先に座られた」「おし出された」などの理由でした。3回目にやった時は○○さんにおし出されて座れませんでした。イスとりゲームが終わると、青木さんが「ぎゅうぎゅうでも良いからみんな座ってみて」と言われたので、ぎゅうぎゅうになりながらもなんとか座れました。そこで青木さんがどうしてイスとりゲームをやったか話してくれました。イスを仕事だと考えて、イスは決まった数しかないから、どれだけがんばっても座れない人が出てくるけどみんなでゆずり合ったら、みんなちゃんと座れるから、それと同じように仕事をゆずり合ったらきっとホームレスみたいな家や仕事がない人もいなくなる、と言っていました。外国では、それと同じように、8時間の仕事を2人で4時間ずつ分けているところもあるそうです。なので日本もそんな風に分け合うような国になれば良いのに、と思いました。わたしがびっくりしたのは、最近は、大学を出ても仕事がなく、二十才でホームレスになってしまう人がいるそうです。

  そして青木さんは最後に、ホームレスの人を良く分かっていないのにイメージだけでこわいとか近づかない方が良い、などと思わずに、話したりしてかかわりをもつことで、初めて差別をする気持ちがなくなる、と言っていました。わたしも、話を聞く前は少し、あまり近づかない方が良いと思っていたけど、話を聞いて好きでホームレスになったわけでもないのに差別をするのはおかしいと思えるようになりました。

子どもたちの感想文 その1

③青木さんへ
  本日は、ホームレスの方々への支えんのお話をしていただき、ありがとうございました。 「えっ、イス取りゲーム」とビックリしたのですが、実さいどのくらいの人が職につけるかがよく分かりました。いっそ死のうかと思っていた人も、抱ぼく館に入居することで、仲間ができ、あたりまえの生活にもどるために一生けん命がんばっている。これも、その人ががんばろうとしたことや青木さんたちの活動によって成しとげられたことなんだろうな、と思いました。

  もし、何かしてほしいことがおありでしたら、学校や代表委員会の方にご相談ください。多々良小のみんなも、やれることはやります。これからも、がんばって下さい。応えんしております。

④お話を聞いて
  私は、ホームレスの人を見たりすると、正直変な目で見てしまったりします。でも、話したこともないのに、見た目だけで勝手に決めつけてしまって、自分がしていたことは本当にひどかったなと思いました。これからは、そういう目で見ないようにします。仕事をしたいけど、できないから、そういった人達のためにも、みんながゆずり合って、いちはやく、仕事がふえればいいと思いました。今日、お話してくださったことは、忘れません。

⑤館長さんの話をきいて
  抱ぼく館の館長さんの話をきいて、ホームレスの人たちは仕事ができなくてホームレスの生活をおくっていて、ホームレスになった人のせきにんではなくて、社会のせきにん。 つまりホームレスの人はなりたくてなったわけでもないし、自分のせいと自分におしつけるひつようもないということがわかりました。また、知っているように知っていないことをいうのはまちがいや差別のはじまりだと思います。

  館長さんの話で自分のホームレスの人のイメージが変わったと思いました。いすとりゲームをして、ホームレスの人たちのホームレスになったじじょうがわかりました。これからもホームレスの人たちが少なくなるようがんばってください。