社会福祉法人グリーンコープは、
グリーンコープ生協から生まれました。
グリーンコープの地域福祉のはじまりから、
社会福祉法人グリーンコープの誕生、
そして今日までの歩みをまとめました。
- 1993
- 1994-1996
- 2000-
1993
グリーンコープの
地域福祉のはじまり

中期計画基本構想
「夢ヲかたちに」
1993年、九州・山口・広島の25生協で結成されたグリーンコープ連合の第一期通常総会で、グリーンコープがこれから目指す方向性を示した中期計画基本構想「夢ヲかたちに」が採択されました。
「いのち」「食べもの」を大切にしてきたグリーンコープ連合が、「生きること」の基本に関わる「地域福祉」「環境・農業」「教育・文化」の課題に取り組んでいくことを確認し、そのための活動がここからはじまりました。

(図表出典) 夢ヲかたちに 十年誌資料集
グリーンコープ福祉連帯基金(2004年)
現在にも通じる当時の課題
1993年当時の課題は、まさに今の社会状況を予測したものであり、現在も続いている深刻な課題です。
グリーンコープは当時のマスタープランにある構想のもと、30年かけて少しずつ歩み、事業・活動を形にしてきました。
なかでも福祉分野は、国の福祉制度の整備とともに発展していき、
現在は国の制度とグリーンコープ独自の事業が合わさった豊かな地域福祉が実現しつつあります。
1993年当時の課題と
マスタープラン
課題
マスタープラン(基本計画)
教育・文化
〈課題〉
- 知育偏重で、差別選別する公教育、家庭教育
- ハンディのある人を隔離する教育行政
- 行政主導の社会教育、生涯教育
- 子育てに悩むお母さん
- 生協運営に参加する組合員の年齢構成のアンバランス
〈マスタープラン(基本計画)〉
「教育·文化」の活動・事業を進めます。
住みよい地域社会づくりに参加する人を培い、支えていくために、市民主体の豊かで創造的な教育文化活動・事業をつくっていきます。
福祉
〈課題〉
- 目前の超高齢社会への不安
- 隔離されがちな障害者(児)、高齢者
- 制約の多い公的サービス
- 経営優先になりがちな民間サービス
- 人としての尊厳が大切にされないサービス
〈マスタープラン(基本計画)〉
「地域福祉」の活動・事業を進めます。
誰もが住み慣れた所で生きがいをもって助け合い、働き合いながら暮らせることを願っています。そのような地域社会を、社会福祉活動・事業を通して、創っていきます。身近な行政に働きかけて進めます。
環境・農業
〈課題〉
- 地球環境の危機
- 日本の農業の危機
- 水・食べものの危機
〈マスタープラン(基本計画)〉
「環境・農業」を守る活動・事業をさらに進めます。都市の住民(消費者)と農山村の住民(生産者)が手をつなぎ、自然や水を守り、食べものを産する農畜産業を守る活動・事業を創っていきます。
1994-1996
地域に必要な福祉を、
自分たちの手でつくる
「参加型地域福祉」
1994年、「夢ヲかたちに」の構想を実現するための主体として、社会福祉法人の前身となる「グリーンコープ福祉連帯基金」を設立。
そこから始まったグリーンコープの福祉活動では、「参加型地域福祉」が基本原則となりました。
誰かにしてもらうのではなく、広く誰もが参加し、自ら支えていく福祉。
公助と自助だけでなく、「共助」の仕組みが必要なことが確認されました。
- グリーンコープ
福祉の定義 -
全ての人が年齢、性、心身の機能によるハンディキャップにかかわらず、
普通に生きていける社会を目指し、その条件を満たしていく活動を福祉と定義。 - グリーンコープの
福祉活動の
3つの基本的観点 -
- 全ての組合員にとって利益が享受できること
- ハンディの重い人が最も大切にされること
- 地域に開かれたものになっていくこと
必要とされる福祉サービスとは?
まだ公的な相談窓口や支援制度がほとんどなかった時代、グリーンコープは「夢ヲかたちに」を具現化させるため、当時約18万人の組合員に「福祉アンケート」を実施しました。得られた回答(約9万5千人分)をもとに、地域に暮らす生活者の感性と家庭を支える母の視点で、必要とされている福祉サービスを検討し、特にニーズの高かった、ひと・もの・こと(情報)の事業に着手。1995年にはグリーンコープの福祉の担い手である、家事サービスワーカーズが誕生。また福祉に関する情報を提供する「ふくし情報でんわ」も開設されました。
〈ニーズの高かったサービス〉
- ひと
- 家事支援サービス
- もの
- 福祉用品の販売
- こと
- 福祉に関する相談窓口(ふくし情報でんわ)
担い手としての「ワーカーズ」の誕生、
福祉活動組合員基金(通称100円基金)のはじまり

参加型の地域福祉を実践する主体は誰なのか?を考える中で、職員労働/組合員活動/ワーカーズ・コレクティブ(労働協同組合)の選択肢から、ワーカーズ・コレクティブが選ばれ、1995年、最初の家事サービスワーカーズが福岡県で誕生しました。
また当時は公的な制度がほとんどない時代、福祉の事業資金も自分たちで用意しなければなりません。1996年には福祉活動組合員基金(100円基金)が福岡でスタート。組合員への説明会を何度も重ねて、自分が住む街を自分たちでより良くしていくための活動基金であることを伝え、基金の設置が実現しました。
2000-
社会福祉法人の設立と
その後の歩み
社会が大きく変わる時代へ
社会福祉法人グリーンコープの誕生
安心して地域で暮らしていくために、地域に福祉サービスが根を張り、安定して継続できる体制が必要です。
それには、地域社会をより良くする運動と事業を両立していくことが必要と考え、
2000年の国の介護保険制度スタートと同時に介護保険制度に参入、その後2003年には社会福祉法人が設立されました。
2001年には各地のワーカーズが集まり「グリーンコープ福祉ワーカーズ・コレクティブ連合会」が設立。
これが、現在の社会福祉法人グリーンコープの原形です。そこから現在にいたるまで、様々な福祉事業を展開しています。
社会福祉法人設立から〜
現在までの歩み
高齢者支援からはじまった福祉サービスは今、
障がい者(児)、子ども・子育て家庭、困窮者など、地域に住む様々な方の支援へと広がっています。
その一つひとつが、各地のワーカーズと社会福祉法人グリーンコープ、生協組合員が力をあわせ、
自分たちの住む地域で必要とされているサービス・支援を形にしてきた結果です。
また、公的な制度と、配食サービスやみんなの居場所といった
社会福祉法人グリーンコープ独自の取り組みが合わさることで、より多くの方を柔軟に支援できる仕組みも生まれています。
社会福祉法人グリーンコープ事業高の推移〉
2004年度〜2023年度〉 
社会福祉法人グリーンコープ事業所数の推移〉
2012年度〜2023年度〉 
〈年表〉社福グリーンコープの
これまでの歴史
福祉を担った時代
福祉事業が移行していく時代
福祉を担う時代
社会の動き
- 2000
- 介護保険制度施行
- 2005
- 介護保険法改正(2006年施行)
- 予防給付開始
- 2011
- 東日本
大震災
- 2013
- 生活困窮者
自立支援法公布
- 2014
- 地域包括ケア
システム施行
- 2015
- 生活困窮者自立支援法施行
- 障害者総合支援法施行
- 2016
- 地域共生社会の実現が盛り込まれた
「ニッポン一億総活躍プラン」閣議決定 - 熊本地震
- 2017
- 九州北部豪雨災害
- 2018
- 幼保連携型認定こども園制度創設
- 西日本豪雨水害
- 2019
- 九州北部大雨災害
- 台風19号
- 2020
- 新型コロナ感染症発生
(緊急事態宣言)
- 2023
- コロナ感染症5類へ移行
- 2023年7月豪雨
- 2024
- 令和6年能登半島地震
社福グリーンコープと
ワーカーズの動き
- 1993
- 「夢ヲかたちに(中期計画基本構想)」を決定
- 生協で福祉アンケート実施
- 1994
- グリーンコープ福祉政策を策定
- グリーンコープ福祉連帯基金設立
- 1996
- 福祉活動組合員基金
(100円基金)拠出スタート
- 2000
- グリーンコープ生協として
介護保険制度に参入
- 2001
- グリーンコープ福祉ワーカーズ・
コレクティブ連合会設立
- 2003
- 社会福祉法人煌(きらめき)ふくおか誕生
- 2004
- グリーンコープ福祉連帯基金解散
- 社会福祉法人煌くまもと誕生
- 2006
- 社会福祉法人煌おおいた、
社会福祉法人煌かごしま誕生
- 2008
- 社会福祉法人煌が社会福祉法人グリーンコープ
(以下社福GC)に改称 - 社福GCひろしま、社福GCやまぐち、
社福GCながさき誕生
- 2009
- 社福GCさが誕生
- 2011
- 社福GCみやざき誕生
- 東日本大震災から災害支援活動の始まり
- 2013
- 労働協同組合グリーンコープ
福祉ワーカーズ・コレクティブ連合会誕生
- 2019
- 労働協同組合グリーンコープ
福祉ワーカーズ・コレクティブ連合会は、
一般社団法人グリーンコープ・ワーカーズ・
コレクティブ連合会として再スタート - 第二次『夢ヲかたちに』発表
- 2021
- 一般社団法人グリーンコープ
こども基金設立
高齢者支援
- 1995
- 初めての家事サービスワーカーズ
誕生
(福祉サービス開始) - 福祉生活用品、
ふくし情報でんわを開始
- 2000
- 生協(ワーカーズ)
の家事サービス・
介護保険事業を
スタート
- 2003
- 社会福祉法人として
訪問介護事業をスタート - 社会福祉法人の設立に伴い、
福祉事業は
生協から社会福祉法人に引き継がれる
- 2006
- 居宅介護支援事業をスタート
- 2011
- 在宅福祉ワーカーズコレクティブ
連合会きらめき設立
- 2012
- 小規模多機能型居宅介護事業・通所介護事業・
グループホーム事業・有料老人ホーム事業をスタート
- 2013
- 福祉用品店舗を開所
- 2018
- サービス付き高齢者向け住宅事業、
定期巡回・随時対応型訪問介護事業をスタート
障がい者(児)支援
- 2003
- 障がい福祉サービス(訪問介護等)
事業をスタート
- 2013
- 共同生活援助事業をスタート
- 2014
- 特定相談支援事業をスタート
- 2015
- 自立訓練事業・放課後等デイサービスをスタート
- 2018
- 生活介護事業をスタート
子ども・子育て支援
- 2002
- グリーンコープ子育て応援プロジェクト答申確認
子育て応援33万人組合員アンケート実施
- 2003
- 子育て応援の取り組みをスタート
- 2009
- 子育てサポート事業を
スタート
- 2011
- 認可外保育所を開所
- 2012
- 認可保育所を開所
- 2013
- 子育てサポート
ワーカーズの誕生
- 2016
- 子どもの居場所を開所
- 小規模保育事業A型・小規模保育所を開所
- 2017
- 家庭訪問型子育て支援事業をスタート
- 2019
- 企業主導型保育所を開所
- 幼保連携型認定こども園を開園
- 2024
- 保育園型認定
こども園を
開園
生活再生支援
- 2006
- 生活再生事業(生活再生相談、生活再生貸付、金銭教育、
消費生活支援)を行う「生活再生相談室」開設
- 2008
- くらしと家計の支援事業をスタート
- 2010
- 抱撲館福岡・
ファイバーリサイクルセンターを開所
- 2015
- 生活困窮者自立支援事業
(自立相談支援、
家計改善支援、
就労準備支援)をスタート - 自立準備ホームを開所
- 2018
- 居住支援法人事業をスタート
- 抱撲館熊本を開所
- 認定就労訓練所として
焙煎工房はこまめ屋をスタート
- 2019
- この年より生活困窮者自立支援事業を
社会福祉法人グリーンコープへ順次移管開始
- 2020
- ひきこもり支援事業をスタート
- 2022
- 子どもの学習・生活
支援事業スタート
- 2023
- 重層的支援体制
整備事業スタート
- 2024
- 困難な問題を抱える
女性の支援事業スタート
地域生活支援
- 2005
- 初めての複合施設、
ふくしセンター早良開所
- 2009
- 配食サービス事業をスタート
- 2011
- 東日本大震災災害支援活動を実施
- 2016
- 熊本地震災害支援活動を実施
- 2017
- 九州北部豪雨災害支援活動を実施
- 2018
- 西日本豪雨水害災害支援活動を実施
- 2019
- 九州北部豪雨災害支援活動を実施
- 2023
- 2023年7月豪雨災害
支援活動を実施 - みんなの居場所が24ヶ所に
広がる
- 2024
- 令和6年能登半島地震
災害支援活動を実施
グリーンコープの
地域福祉を支える
様々な基金


福祉活動組合員基金(通称)100円基金
支えている組合員の数は約370,000人*
組合員一人ひとりの100円の先で*2024年4月時点、基金を設置する県の組合員数合計
グリーンコープ生協では、グリーンコープの福祉政策に基づいて、地域の中で誰もが支え合い、創り上げていく参加型地域福祉を進めることを目指しています。この考えを基本に、地域で活動している様々な団体を支援することで、地域の人と手を繋ぎ地域を豊かにしたいと考えています。
そのために各県のグリーンコープ生協の組合員が福祉の財源として「広くうすく支え合うために」取り組んでいるのが「福祉活動組合員基金」です。グリーンコープの福祉活動の充実と豊かな地域福祉を願って拠出している大切なお金です。
社会福祉法人グリーンコープでは、みんなの居場所づくりやふくしセンター(複合施設)での地域交流、福祉ワーカーズの福祉活動、人材育成へ助成いただくことで、様々な福祉活動を生み出しています。
社会福祉法人グリーンコープへの
助成内容
みんなの居場所「カフェ在aru」
2023〜
地域の様々な人が出会い、つながり、助け合う「みんなの居場所」の立ち上げに助成いただきました。
みんなのキッチンふくつ
2021〜
一人暮らしの高齢者を支える高齢者向け配食サービス事業へ助成いただいています。
わさだりすの森保育園
2018〜
大分市の待機児童問題への取り組みとして、大分県ではじめてグリーンコープの保育園を開設。開園より助成いただいています。
人材育成のための研修費用

介護職員初任者研修(毎年)、介護福祉士・介護支援専門員の研修費用の一部を助成いただいています。
福祉センター三里木
2018〜熊本初の福祉複合施設。
地域で活用できる交流室を併設しており、地域の皆様に愛される施設を目指しています。
えくぼサロン
2016〜ご高齢者が家に閉じこもらず、いつでも集えることができる場所を提供。
「ふまねっと運動」や「口腔ケア体操」、佐世保市推奨の「百歳体操」等を行っています。
ふくしセンターうれしの
2015〜障がい児デイサービスと訪問介護事業所が入る拠点の立ち上げ。
民家を改修し、家庭的な環境と地域に根差した拠点づくりに活用しています。

こども基金
子どもたちはみんな、
健やかに育ってほしい
「毎日の食事を満足にとれない子どもが6人にひとりいる」それを聞いた組合員から始まった子どもたちへの支援は、やがて大きな広がりをみせ、2021年に「一般社団法人グリーンコープこども基金」が設立されました。福祉活動組合員基金からの助成や、グリーンコープ生協の菓子パン購入の際の寄付金(3円/1商品)、抱樸館を支える会や取引先の企業からの協賛などにより資金を集め、子どもたちのために活用する基金です。集まった基金は、グリーンコープが運営する地域の居場所・子ども食堂の運営支援と食料提供、そして小中学校の朝食支援などに使われています。

かさじぞう基金
いのちをつなぐ、かさじぞう基金
かさじぞう基金は、趣旨に賛同いただいた組合員や生産者さん等からのカンパによって運営されています。生活再生支援の相談事業を行う中で、ライフラインが止まった/食べるものがない/体調が悪くても病院に行けないなどギリギリで生活する方とつながったとき、緊急の生活資金として少額を貸付けています。危機的状況を脱してもらうための一時的な支援ですが、公的な支援が動き出すまでの間をつなぎ、多くの方の助けになっています。生活が立ち直ったあとは、お返しいただいて次の困った方への支援に利用しています。