ふくしサービスセンター びすけっと佐賀
【ひい婆ちゃんヘルパーから、若い世代のみなさんへ】
<びすけっと佐賀発足当初からのヘルパー、NTさん。今も週1回のシフトとピンチヒッターの役割で現在も訪問サービスに入っています。NTさんから、びすけっとで学んだこと、みんなに伝えたいことを語ってもらいました。>⇒
びすけっと歴は25年目になります。その時その時を一生懸命やって来ただけですが、思い返せば利用者さんに恵まれていた気がします。利用者の方は私より人生の先輩の方がほとんどなので、多くの方々と出会い、学ぶことも多かったですが、辛い別れも多かったです。
ヘルパーは 時として、「女優になり 演技が必要」ということも学びました。
ある認知症の女性の方は、調理サービス中に期限切れの饅頭などを勧められることが度々有り、その度に「後での楽しみにします」と、エプロンのポケットに入れて、あとで処分していました。また、サービス中にペットの 犬の散歩に出掛けようとされることが何度もあったので、サービス中は鎖を隠し、サービスが終わってから「ここに有りましたよ!」と言って渡していました。
ほとんど寝たきりだった男性の方は、タバコが大好きで食後に必ずタバコを要求されました。家族からは体調のこともあり、1本だけとの条件で保管場所を聞いていたので、あちこち探すフリをして「1本だけありました!」と言って渡していました。嬉しそうに吸われていた顔が記憶に残っています。
びすけっとの仲間とは、仕事上の悩み事などを共有、情報交換もできるので、安心して仕事に入れるのは心強いです。居心地の良さに年を忘れ、気が付けば、浦島太郎になっていました。今年5月にはひ孫が誕生予定で、私はひい婆ちゃんになります!
そんな私から、これからの介護を担う若い世代のみなさんに伝えたいことがあります。
人は誰でもが年を重ねて、高齢者になります。健康な高齢者もいれば、介護を必要とする高齢者もいます。自分が将来高齢者になったときに、人生の終盤を笑顔で安心して暮らしていける環境が近くにあれば、嬉しく幸せなことではないでしょうか。そのためには、若い時に住み易い環境の基礎つくりに汗を流す必要があると思います。「若い時の苦労は買ってでもしろ」という言葉があるように、頑張った経験は、将来、実と成って自分に返って来るはずです。
若い世代の方たちに、実際の介護の仕事の大変さもありのままに伝えた上で、この仕事だからこそ味わえる充実感ややりがいもいっぱいあるんだよ、ということをもっともっと伝えていけたらと思っています。
※写真:時短調理法を仲間に伝授するNTヘルパー(右)