ふくしサービスセンター びすけっと佐賀
うどん会の翌朝。今日も元気にデイへ「行ってらっしゃい!」
緑の木々に囲まれた静かな一軒家に一人でお住まいのTさん。
ご家族が近くに住んでいますが、認知症状があり、日常生活のサポートが必要ということで、びすけっとが週6日訪問しています。
デイサービスのある日は、朝8時に訪問してTさんを起こして、着替え、口腔ケアを促し、朝食を準備し、薬を飲んでもらい、デイに「行ってらっしゃい!」と送り出しています。デイのない日も、昼食の調理と掃除、洗濯などで訪問しています。
昨日のことや直前のことを覚えていなくても、ベッドメイキングをきれいにされたり、洗濯物をきれいに畳まれたり、自身でできることはたくさんあるので、できることはなるべく本人にお任せし、ヘルパーは声掛け、促し、見守りをするようにこころがけています。
窓から見える庭に落ち葉がいっぱいになっていると食事途中でも庭掃除を始められたり、時間があまりなくても「化粧せんと、外に出ていかれんよ~」と、バッチリお化粧されたりするので、デイの迎えの車が来てしまわないかと、ヘルパーは焦ってしまうのですが(^^;。
趣味だった絵手紙や家族写真が居間にも寝室にもたくさん飾られています。「この絵は佐賀新聞にも掲載されたんよ」「前は、主人の会社の人たちがたくさん来よった」などと懐かそうに話されるのを何度とお聞きしました。思い出がいっぱいのこのお家で最後まで暮らしたいと、Tさんもご家族も願っておられるのがよく分かります。
少し冷え込んできた11月の日曜日、公民館で「うどん会」が開催されるということで、ご近所のYさんから声がかかっていました。
ご家族に連絡し、ヘルパーが起床支援のため訪問し、公民館まで歩行器で歩いて行かれるのに付き添うこととなりました。
公民館に着くと、ご近所さん達が「あら~、Tさん、お久しぶり!」と、口々に言ってくださり、Tさんも笑顔で玄関を上がっていかれました。Yさんが帰りは「送っていくけんね」と言っていただいたので、びすけっとのお仕事はここまで。
あとは、ご近所さん達と交わりながら、温かいうどんをおいしく食され、楽しく過ごされたことでしょう。
デイや病院以外の外出機会が減っている中、ご家族も喜んでおられました。
翌朝の月曜日は、目覚めもよく、残すことの多い朝食を完食されて、デイへ元気に出発されました。
住み慣れた地域で、なじみの方達とも交わりながら、支え合い暮らし続けることって、やっぱりいいですね。
認知症状があるなら、なおさらです!
私たちは、利用者さんご自身が大切にされている日常やライフスタイルに寄り添って、住み慣れた家、なじんだ地域で、1日1日を暮らしていくことのお手伝いをこれからも続けていきます。
※写真:ヘルパーと一緒に洗濯物たたみ/居室に飾られているTさんの描いた絵手紙